伝わる文章力 ― 履歴書で印象を残すための表現術

書類は「あなたの姿勢」を映し出す

志望動機は「相手の価値観に寄り添う姿勢」を示す

志望動機を書く際に大切なのは、“自分が働きたい理由”を並べるだけではなく、“なぜその施術所なのか”を踏まえて書くことです。院の方針、患者層、施術方針、人材育成の考え方など、それぞれの治療院には大切にしている価値観があります。それを理解したうえで、自分の経験や目指す施術者像と重なる部分を丁寧に言語化すると、志望動機は一気に説得力を持ちます。「この院を理解しようとしている」と伝わる姿勢こそが、採用側に強く響きます。

自己PRは「経験の事実」ではなく「経験から学んだこと」を書く

自己PRで多い誤りは、経験の羅列だけになってしまうことです。アルバイトや部活動、実習での経験を取り上げる際は、そのなかで何を考え、どのように工夫し、どんな成長を得たのかを詳しく説明することが大切です。施術者として期待されるのは、技術だけでなく、患者に寄り添い、課題を理解し、自分で状況を改善しようとする姿勢です。経験“そのもの”よりも、経験から得た強みや学びを記述することで、あなたの人間性がより明確に伝わります。

相手が読みやすい「構成」と「文章の流れ」を意識する

応募書類では、読みやすい文章構成がとても重要です。長すぎる一文は避け、結論から書く、内容を段階的に説明する、主語と述語を揃えるなど、基本的な書き方を徹底することで、文章は驚くほど読みやすくなります。採用担当者は短時間で多くの書類を読むため、“読みやすい文章”はそれだけで印象が良くなります。あなたの考えが明確に伝わる文章は、施術の説明や患者対応にも通じるスキルとして評価されます。

第三者の視点で見直し、完成度を高めていく

書類は一度書いて終わりではありません。自分では気づけない表現のクセや誤字脱字は必ずあるため、第三者に読んでもらい、率直な意見をもらうことが必要です。添削を受けることで文章はより整い、あなたの強みが客観的に伝わる形へ洗練されていきます。書類作成そのものが、自分の経験を言葉に整理する良い機会となり、面接での表現力にも直結します。丁寧に見直しを重ねる姿勢が、書類の説得力を大きく高めてくれます。