印象を決める瞬間 ― 面接で伝えるべきこと

面接は“第一印象の面接”から始まっている

面接の評価は、質問に答える前から始まっています。入室時の挨拶、姿勢、目線、声のトーンといった非言語の要素が、全体の印象を左右します。特に施術系の職種では、患者さんとの信頼関係を築ける人柄が重視されるため、表情や所作の柔らかさも大切です。明るい笑顔、落ち着いた声、清潔感のある服装は基本中の基本。最初の10秒で「この人と一緒に働きたい」と思わせる空気づくりを意識しましょう。言葉の内容よりも、“伝わり方”の印象が最初に記憶に残ります。

想定質問に答える「自分の言葉」を準備する

面接では、「なぜこの職場を志望したのか」「学生時代に頑張ったことは」など、定番の質問が必ず出ます。これらに対しては暗記した文章ではなく、“自分の言葉”で話すことが大切です。丸暗記の回答は聞き手にすぐ伝わりますし、少しのズレで頭が真っ白になりがちです。ノートにキーワードを書き出し、自分の経験や感情をもとに短い文で話す練習をしておきましょう。自分の声で話すことが、自信と信頼感を同時に生みます。

質問への答えは「結論→理由→具体例」

回答を整理するうえで便利なのが、「結論→理由→具体例」の順番です。たとえば「チームワークを大切にしています」と述べた後に、「なぜなら、実習で仲間と連携することで成果が上がった経験があるからです」と続ければ、筋の通った話になります。話が長くなる場合は、途中で区切って要点を強調するのも効果的です。論理的な構成で話すことで、聞き手にとって理解しやすく、印象に残る面接になります。

面接官への質問は“相互理解”のチャンス

「何か質問はありますか?」という最後の一言は、あなたの関心や姿勢を示す絶好のチャンスです。「教育体制について教えてください」「新人が最初に任される仕事を知りたいです」といった前向きな質問は高く評価されます。逆に「残業はありますか?」など、条件交渉を連想させる質問は控えましょう。質問を通じて、“自分がどう貢献できるか”という意識を見せることが、信頼を深めるきっかけになります。

面接は「評価」ではなく「対話」

面接を“試験”と捉えると緊張しますが、本質は“お互いを知る場”です。採用担当者も、「この人が安心して働けるか」「チームに馴染めるか」を確かめています。ですから、必要以上に完璧を求めず、自分らしく話すことが一番の魅力になります。自分の言葉で、素直に、誠実に。面接とは、相手と自分が“同じ目的”を共有できるかを確かめるプロセスです。対話を通じて、未来の職場との良い出会いをつかみましょう。