“福利厚生”って何を見る?──手取りだけで選ばないために

初任給の数字だけで決めていませんか?

就職活動をしていると、つい目がいくのが「給与の額面」です。
確かに、「月給○○万円」や「歩合で稼げる」といった言葉は魅力的に見えるかもしれません。

でも、それだけで判断してしまうと、「思っていたより手取りが少ない」「保険がなくて不安だった」といったミスマッチが起こりやすくなります。
働く環境として見るべきは、給与だけではなく、福利厚生や雇用条件の中身です。

社会保険の有無は重要なポイント

たとえば「社会保険完備」と書かれている場合、健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険といった制度が含まれます。
これらがない職場(たとえば業務委託など)では、自分で国民健康保険や国民年金に加入する必要があり、結果として実際の手取りが少なくなることもあります。

つまり、「額面が高い=手取りが多い」とは限らないのです。

「働きやすさ」につながる制度もチェック

保険以外の福利厚生としては、以下のような制度があります。

  • 交通費支給(上限あり/全額)
  • 賞与(年○回・業績による)
  • 有給休暇や産休育休制度
  • 研修制度や外部セミナーの補助
  • 退職金制度(導入している場合)

これらは「日々の働きやすさ」や「長期的なキャリア形成」にも関わってくる重要な要素です。

制度がない=ダメ、とは限らない

個人経営の治療院や小規模な施設では、制度が十分に整っていないケースもあります。
制度がないからといって即NGとは限りませんが、その場合は「制度がない代わりに裁量がある」「自由な反面、自己責任も大きい」など、働き方のスタイルを理解したうえで選ぶ必要があります。

まとめ:条件を見る目は「将来の自分」を守る力

こうした条件面の確認は、決して“細かいこと”ではありません。
むしろ、自分の将来を守るために欠かせない「情報の見方」です。

「手取りが多い」「自由に働ける」といった表面的なメリットだけでなく、「5年後・10年後も安心して働ける職場か?」という視点を持つことが、納得のいくキャリア設計につながります。

給与明細や契約内容をしっかり読み込み、わからない部分があれば必ず質問する。
それも、立派な“社会人としての準備”です。