【キャリア紹介】「開業」はゴールじゃない。鍼灸師が語る、独立のリアルと、人を育てる経営。|株式会社大八 鍼灸マッサージ師 佐々木大八先生

お話を伺った方

佐々木大八先生

株式会社大八|鍼灸マッサージ師
2000年開業・愛知県豊川市末広通4-3-3

「独立開業」という言葉を聞いて、あなたはどんなイメージを持つだろうか。自由?リスク?夢?——愛知県で鍼灸マッサージ院を経営し、これまで4名の「卒業生」を独立開業へと送り出してきた佐々木大八先生に、独立のリアルをすべて話してもらった。

「独立ありき」で、この道へ

佐々木大八先生 私の場合は、最初から『独立ありき』でこの道に入りました。鍼灸マッサージを選んだというより、自営をするための手段として選んだ、という感覚に近いかもしれません。

佐々木大八先生 あの時の経験は、その後の大きな武器になりました。学生のうちにああいった現場に触れられたのは本当によかったと思っています。

開業、その現実——通帳残高5,000円の日々

佐々木大八先生 開業当初は、朝から患者さんが一人も来ない日もありました。友人と終日、人生ゲームをして過ごしたこともあります。『リアル人生ゲームの方がよっぽど大変だ』と笑っていましたが、笑えない状況でもありましたね。

佐々木大八先生 金融機関に提出する順調なケース(A)だけでなく、最悪の場合を想定した撤退ラインの計画書(B)も自分用に作っていました。下限と上限の両方を持っておくことで、困窮期にも健全な判断ができたと思います。今でも独立希望のスタッフにはこの方法を勧めています。

経営者になって変わったこと、変わらなかったこと

佐々木大八先生 勤務時代は、自分が育ててもらう側でした。開業後は、育てる側になりました。共に働く人たちが成長していく様子を見られるのは、独立ならではの喜びだと思います。

佐々木大八先生 施設への訪問がゼロになり、事業の存続そのものが危ぶまれる状況になりました。自分や自社の努力だけではどうにもならない、そういう局面があることを身をもって知りました。

大八で「卒業」する、という選択肢

佐々木大八先生 まず当社職員として一通りの業務をこなせるようになってもらい、その後、独立開業者としてのスキルへとステップアップしていきます。事業計画書を一緒に作ったり、物件の手配まで関わることもあります。

佐々木大八先生 一方的なフランチャイズとは違い、対等な立場でお互いの仕事を支え合える。本当の意味でWin-Winになれる仕組みだと自負しています。

学生へのメッセージ——開業は「ゴール」じゃない

佐々木大八先生 開業すること自体は、やろうと思えば誰でもできます。大切なのは、開業した後に地域から信頼を得て、事業を継続し続けること。それの方が、はるかに難しい。

佐々木大八先生 まずは一定のスキルを身につけた上で、開業が本当に自分に合った選択なのかを自分で考えてほしい。当社では、『開業できない』のではなく、『開業できる』だけのスキルを持った職員を育てることを目指しています。開業するもしないも、自分で選択できる人になってほしいんです。

取材協力:株式会社大八 佐々木大八先生