遠回りを防ぐ ― キャリアマップを「逆算」ではなく「検証」で作る

キャリアマップは「計画」より「検証」から始める

キャリアマップを作るとき、最初にゴールを決めて逆算する方法は分かりやすい反面、現実のズレが起きやすいのが弱点です。特に学生の段階では、現場の解像度が十分でなく、ゴールの設定が抽象になりがちです。そこで有効なのが「検証型」の作り方です。仮の方向性を置き、現場で確かめ、修正しながら精度を上げていく設計にします。計画を当てに行くのではなく、経験で“当たりをつけ直す”ことで、現実に強いマップになります。

「3つの仮説」を置くと、迷いが減る

キャリアマップが止まる理由は、ゴールを1つに絞り切ろうとしてしまうことです。最初は1本に決めなくて構いません。たとえば「スポーツ領域に関心がある」「地域の高齢者を支えたい」「美容や体質改善の方向も気になる」など、仮説を3つ置きます。次に、それぞれで必要な経験・学び・環境をメモし、見学や実習の観察ポイントに落とし込みます。すると、経験が増えるほど仮説のどれが自分に合うかが見えてきます。仮説があると、経験が“ただの体験”で終わらず、判断材料に変わります。

マップは「時間」ではなく「経験の単位」で刻む

「1年目、3年目、5年目」と年数で区切ると、やることが曖昧になりがちです。おすすめは経験の単位で刻むことです。たとえば「問診を一通り任せてもらえる」「基礎手技の再現性が安定する」「患者説明を自分の言葉でできる」など、成長を“能力の節目”として置きます。節目が明確になると、今の自分がどこにいて、次に何を積むべきかが見えます。時間は人によって伸び縮みしますが、経験の節目は評価と結びつきやすいのが利点です。

「ズレたら直す」を前提にする

キャリアマップは、一度作って終わりではありません。むしろ、ズレを見つけて修正することが本体です。見学で「思っていた現場と違った」、実習で「自分の得意不得意が分かった」、働き始めて「環境の影響の大きさを知った」。こうしたズレは、失敗ではなく“情報”です。ズレたときに、軸・仮説・節目のどこを直すかを決められるマップは、長く使えます。続けていく連載の中でも、マップの更新を自然な行動として位置づけることが、キャリアを強くします。