見学前後にやるべきこと──鍼灸の現場を“就職先”として見るために

専門学校で学んでいると、臨床現場を見学する機会が訪れます。ただ見て終わりにするのではなく、「就職先の候補」として見学を活用できるかどうかが大切な分かれ道です。

ここでは、見学の「前」「最中」「後」にやっておきたいことを整理しました。

1. 見学前に「目的」を明確にする

どんな雰囲気の職場を見てみたいのか、何を観察したいのかを明確にしておくことで、漠然と見て終わるのを防げます。たとえば以下のような軸で事前に準備しましょう。

  • 見たい施術内容(鍼・灸・手技など)
  • 患者層(スポーツ・高齢者・美容など)
  • 職場環境(スタッフの人数、雰囲気)

2. 自己紹介と質問内容を準備しておく

初対面で印象に残るよう、簡単な自己紹介を考えておくと安心です。また、見学中に質問できる時間がある場合に備えて、聞きたいこともリストアップしておきましょう。

3. 服装とマナーを確認

私服での見学であっても、清潔感のある服装を選びましょう。挨拶、入退室時の礼儀など、社会人としての基本的なマナーも見られています。

4. メモを取りながら見学する

気になったこと、良いと感じた点、逆に違和感を覚えた点などは、できるだけその場でメモに残しましょう。あとで自分に合っていたかを冷静に判断する材料になります。

5. 見学直後に振り返りを行う

「どんな患者さんが多かったか」「スタッフの様子はどうだったか」「自分が働いている姿を想像できたか」など、見たこと・感じたことを整理しましょう。

6. 自分にとっての「向き不向き」を見つける

一つの施術所だけで判断するのではなく、複数見学したうえで比較することが大切です。「なんとなく良かった」で終わらせず、なぜそう感じたのかを深掘りしてみてください。

7. お礼の連絡を忘れずに

見学を受け入れてくれた施術所への感謝の気持ちは、必ず伝えましょう。形式的でもよいので、メールやLINEで一言添えることで印象が大きく変わります。

8. 担任やキャリア支援の先生に報告する

一人で考えず、学校の先生と情報を共有することで、自分では見落としていた視点をもらえることもあります。就職に向けた次のアクションも相談しやすくなります。

9. 見学先の情報をまとめておく

施術所名、見学日、印象、対応してくれた方の名前などを一覧にしておくと、後日の比較に役立ちます。志望理由書を書くときにも貴重な情報源になります。

10. 次のアクションにつなげる

気になる点があったら追加で訪問できるか相談してみたり、アルバイト希望を伝えたりと、行動に移すことで縁が深まることもあります。

まとめ

見学は「体験学習」ではなく、「職場選び」の第一歩です。しっかり準備し、きちんと振り返ることで、自分に合った就職先を見つけるための大きなヒントになります。見学の1回1回を、就職活動のチャンスとして活かしていきましょう。